特定の居住用財産の買換えの特例


不動産の譲渡所得については所得税住民税がかかります。しかし、要件を満たせば、譲渡価格が取得価格を超える額にのみ課税されるという特例があります。ただし、譲渡益(売却した価格から購入したときの価格を差し引いた額)への課税が繰り延べされるということで、将来購入した物件を売却したときにはこの譲渡益が上乗せされますので注意してください。
正確には、所得税については国税庁のホームページを、住民税については各都道府県のホームページ(例:埼玉県)をご覧ください。

計算例 【出典:「不動産税制の手引き」(不動産流通近代化センター)】

【事例】
 譲渡資産 買換資産 
 所有期間20年の居住用家屋とその敷地  一戸建て新築住宅(敷地の面積120㎡、家屋の総面積100㎡)
 居住期間 15年  取得後、直ちに居住の用に供する
 譲渡対価 8,000万円  取得価額 6,000万円
 取得費(家屋については減価の額を控除した後の金額)  1,000万円  
 譲渡費用  300万円  

【計算の概要】
〇参考のために「特別控除と軽減税率の特例を受ける場合」を比較します。
 項目  買換えの特例を受ける場合

(差額に着目)
 3,000万円特別控除
軽減税率の特例を受ける場合
(譲渡対価に着目)
譲渡所得の金額 (1)収入金額
8000万円-6,000万円=2,000万円
(注)譲渡価格が取得価格を超える額

(2)必要経費(取得費・譲渡費用)
(1,000万円+300万円)×2,000万円/8,000万円=325万円

(3)譲渡所得の金額
2,000万円-325万円=1,675万円
(1)収入金額
8,000万円


(2)必要経費(取得費・譲渡費用)
1,000万円+300万円=1,300万円


(3)譲渡所得の金額
8,000万円-1,300万円=6,700万円
課税長期譲渡所得金額  1,675万円  6,700万円-3,000万円3,700万円
税額  1,675×20%=335万円  3,700万円×14%518万円
(注)簡単のため税率に復興財源確保法の特別税は加えていません

計算方法の概要

【長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率】
〇土地・建物などの譲渡の場合、長期所有と短期所有では税率が異なります。
区分    所有期間     税率  
 合計  内訳
 所得税  市民税
 長期譲渡所得  譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年超  20%  15%  5%
 短期譲渡所得  譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年以内  39%  30%  9%
(注)復興財源確保法により、所得税が平成50年までは長期が15.315%、短期が30.63%になります。

【課税譲渡所得金額の算出】
〇長期、短期について次のように計算します。
  譲渡収入金額-必要経費=譲渡所得の金額 
     
(買換え特例の場合)   譲渡所得の金額=課税譲渡所得金額
      (特別控除の場合)    譲渡所得の金額-特別控除額=課税譲渡所得金額

〇ここで必要経費とは取得費と譲渡費用を加えたものです。
必要軽費  取得費  (住居用の場合)
取得価格-減価の額=取得費
譲渡費用  譲渡時の媒介手数料や印紙代など

〇譲渡収入金額、必要経費、特別控除額の適用要件や計算方法は細かく定められていますので、税務署や自治体に確認することをお勧めします。


【譲渡所得の課税の特例】
〇主な特例は、特別控除の特例、軽減税率の特例、交換・買換えの特例の3つに分類できます。具体例は次のようなものです。  
 (1)特別控除の特例 
 イ.  居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(クリック)
 ロ.  収用交換等の場合の5,000万円特別控除
  (注)特別控除の種類は6種類あります。
 (2)軽減税率の特例 
 イ.  居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(クリック)
 ロ. 優良住宅地の造成等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 (3)交換・買換えの特例
 イ.  固定資産を交換した場合の譲渡所得の特例
 ロ. 特定の居住用財産の買い替えの特例(クリック)
 ハ. 特定の事業用資産の買い替えの特例
ニ. 平成21年および平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例



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