サービス付き高齢者向け住宅(このページでは「サ高住」と表記します)
サ高住は、
「高齢者の住居の安定確保に関する法律」によって2011年からスタートした制度に基づくもので、原則60歳以上の単身や夫婦のみの高齢者世帯が安心して住むことを目的とした
賃貸住宅です。
(サ高住の歴史については、「トップページ>漫筆>№7サービス付き高齢者向け住宅の歴史」をご覧ください。)
サ高住の基準は、次のようになっています。
・サービスとして状況把握(安否確認)と生活相談は最低限提供すること
・構造・設備は以下とすること
○居住部分の床面積は原則25㎡以上
○居住部分に台所、水洗トイレ、洗面設備、浴室、収納設備を設置
○バリアフリー構造(段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保
上記の基準を満たした事業者は、都道府県や政令市、中核市に登録(
埼玉県の例)しており、登録されたサ高住の情報は「
サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」で公開されています。
サ高住の特徴は、「建物賃貸借契約」が7割と多いことです。建物賃貸借契約では、賃借が「借地借家法」によって強く守られていて、退去を求められても貸主に正当事由がない限り退去する必要はありません。有料老人ホームでは利用権契約が多く、契約で定められた退去理由に相当すれば退去しなければならない場合があります。また、有料老人ホームに比べると制約が少ないのですが、その分自己責任も大きくなります。
費用は
1ヶ月の費用(家賃、共益費、食費、状況把握及び生活相談サービス費)は平均で
13万1,615円です。敷金は平均で15万7,960円となっています。なお、権利金、礼金、更新料等の徴収はできないことになっています。
前払金は97.3%のサ高住で徴収していません。徴収する場合の平均額は585万6,222円です。
(出典:「サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究」(高齢者住宅財団 平成25年3月)
運営は
株式会社が55.6%と最も多く、医療法人(14.5%)、有限会社(13.7%)と続きます。このように基本的には民間事業です。
(データ:「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」ホームページ)
戸数は
入居者は
【入居の動機】
「1人暮らしが不安になったため」、「介護が必要になったため」などが多数を占めています。
【年齢】
平均年齢は82.6歳です。
【入居者の身体状況】
事業者の34.4%が入居者を自立から重度の介護を必要とする方まで幅広く想定しています。次いで軽度から重度の介護を必要とする方を想定する事業者が23.4%です。自立の方のみを想定している事業者は5.4%と少数派です。
現状では入居者の要介護度は平均で「1.8」となっています。
(出典:「サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究」(高齢者住宅財団 平成25年3月)
介護が必要になったら
一般的には、自宅の場合と同じように居宅サービスや地域密着型サービスを受けることになります。
サ高住のうち、食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供するものは特定施設にあたります。この場合、基準を満たしたうえで「特定施設入居者生活介護事業所」の指定を受ければ、介護付有料老人ホームと同様に特定施設入居者生活介護サービスを提供することができます。ただし、この指定を受けたサ高住は少なく、東京都の例では7%程度です。