老化

加齢に伴う心身の生理機能の低下を老化現象といいます。

高齢者の体の状態

皆さん、お元気です。
身体的エリート
高齢者 
 元気高齢者  要介護高齢者
(虚弱高齢者を含む)
 25%  50%  25%

運動機能

速く歩く能力は、65~69歳に比べて85歳以上では約20%低下していたという研究結果があります。
そのため、たとえば信号機は1分間に80m歩くこととして青信号の点灯時間が決められているので、10mの横断歩道を渡る場合、80歳以上の男性では1m、女性では2mを残して青信号が変わってしまいます。

ところで、歩く速さは寿命の長さと関係があります
福祉住環境コーディネーター2級テキスト(79ページ)の記述に基づいて作成

生理機能

80歳代の高齢者の生理機能は、30歳100%とすると次のような数字に低下します。
腎臓内で血液をろ過する働き    60%
肺で酸素を交換する働き    50%以下
神経伝導速度    85%

肝臓や腎臓、肺の働きなどの生体機能は日常の働きの数倍の予備能力を持っているので半分程度になっても通常の生活を送ることができます。
一方、車の予備能力は15%の反射機能の低下を許容していないので、高齢者は交通事故を起こしやすくなります。天は老化を想定しても車を想定していなかったのでしょう。

心理

高齢者は4つの喪失体験(注)をベースに、感情面で孤立感、死への不安感、意欲低下といった状態に陥りやすくなっています。これらを克服し人生の価値を見出した高齢者もおられます。その一人になりたいものです。
  (注)①知的機能の喪失
     ②身体機能の喪失
     ③社会的役割の喪失
     ④配偶者や兄弟・友人の喪失

精神機能

高齢者には人の名前がのど元まで出ているのに思い出せない場合があります。
大量の情報を被験者に与え一定の時間後にどれだけ思い出すかを実験してみると30歳から10歳ごとにほぼ直線的に思い出す力が低下し、70歳代では30歳代の約半分になるという研究があります。老化によるもの忘れと認知症によるもの忘れは違います。
 老化によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ 
 体験したことは覚えているが、体験のある部分や詳細について忘れている  体験したこと自体を忘れている
 ヒントによって思い出すことが多い  ヒントを出しても思い出せない
 もの忘れの自覚がある  もの忘れの自覚がない




老後と住まい

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