廃用症候群(生活不活発病)

「膝痛・腰痛」がある方や「骨折・転倒」を起こした方は、体を動かす機会が減ってしまうことがあります。それが原因で、筋肉が衰えたり骨がもろくなったりして、体の機能が低下して動けなくなるおそれもあります。このように、体を動かさない状態が続くことによって、心身の機能が低下して動けなくなることを「廃用症候群」といいます。(厚生労働省ホームページ 政策レポート(介護予防)生活不活発病と呼ばれることもあります。

廃用症候群の例


原因  症状の例
 骨にかかる力が減る 骨の重さが減少し、骨が弱くなっていて骨の変形や骨折を起こしやすくなる(骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
 筋肉を長い間使わない  筋肉がなえてちぢみ、筋力が弱って、歩いたりする力が弱くなる
 関節を動かさない  関節が固くなり、関節の動く範囲が狭くなる
 皮膚が押さえつけられない状態や、熱い冷たいの刺激を受けない  皮膚が徐々に薄くなって傷つきやすくなり褥瘡(床ずれ)をつくりやすくなる
 心臓に極端に負担をかけない  頻脈や急に立ち上がった時などにめまいや立ちくらみ(起立性低血圧)がおきる
 肺に極端に負担をかけない  気管に痰がたまって息切れする
 極端に安静にする  足の静脈に血の固まりができ、場合によっては、この血の固まりが肺の血管を詰まらせ死に至ることもある

予防

廃用症候群が進むと、その回復には時間がかかり、回復が不十分になることが多いため、進行させないこと予防に努めることが何よりも重要です。

予防の基本
○体を頻繁に動かすこと
○極端に安静にして床にふせていないこと

「東北地方太平洋沖地震による避難生活に伴う心身の機能の低下の予防について」(厚生労働省)という資料が参考になるかもしれません。

住まいの工夫


 目標  方法
 家庭内や社会的な孤立を深めないようにする 本人の居室を 家族の集まりやすいリビングの近くにする
理学療法士などによるリハビリ訓練以外にも 自分で訓練ががしやすいようにする 介護用ベッドを利用するなど介護する人が介護しやすいようにする
 トイレなどの生活動作が本来の場所で行えるようにする  歩行や車いすによる行動範囲を広げられるように手すりを設置したり、車いすが通れるように廊下幅をひろくする
 従来の趣味などが難しくなった場合は新たな趣味や楽しみを見出すようにする  ベットに寝ていても見たり聞いたりして様々な情報や刺激を入れたり、友人・知人を家に招くことができるようにする



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