老後と住まい
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認知症グッズ
埼玉県にある国立障害者リハビリテーションセンターを見学する機会がありました。同センターには病院、自立支援施設、研究所などがあり、医療や就労支援サービスを提供するとともに支援技術の研究や専門職などの養成・研修を行っています。
同センターには、認知症の方の自立支援機器(認知症グッズは当HP管理者が勝手に名付けましたのでご承知ください)を約80点展示してる施設も見学しました。大変参考になりました。思いつくままに幾つか紹介します。

①便器の蓋の色
「トイレはアイボリー色で統一感を出しました」などと言うのは認知症の方にとっては困惑の原因だそうです。全体が同じ色だと、どこで用を足すのか分からなくなることになるそうです。そこで写真のように便器の蓋を赤い色などのカバーで覆うことが効果があるそうです。「など」と書いたのは黒い色でもよいそうです。最初から便座「だけ」が赤などの色となっている便器は見当たらなかったということでした。便座そのものにカバーをすると濡れるなどの問題もあるそうで注意が必要です。

②探し物発見器
認知症の初期では、身の回りの物を置き忘れて見つからなくなることがあったり、大切なものをしまいこんだりすることがあるようです。それに対して、この装置は、送信機と複数の受信機からできていて、無くすと困るものにあらかじめ受信機に取り付けておきます。たとえば、財布には1番の受信機、鍵には2番、通帳には3番といった具合です。財布の置いた場所が分からなければ送信機の1番のボタンを押すと財布に付けた受信機のアラーム音がなる仕組みです。

③アラーム付き薬入れ
認知症の初期では、毎日決まった時間に飲むべき薬を飲み忘れたり、飲んだかどうかを忘れるといったことが起こるようです。この装置は円盤型で、薬を入れておくとアラーム音で服薬時間を知らせ、円盤の取り出し口に出てきた薬を取り出すまで鳴り続けます。また、薬を飲んだことを忘れて次の薬も飲んでしまわないようにタイムロック機能(一定時間が経過すると薬が取り出せなくなる)が付いたものです。あらかじめ装置に薬を入れたり時間設定は援助が必要です。ただ薬を出すときに円盤をひっくり返すのですが力がない人には少し重いようです。

癒し系のロボットなどまだまだ沢山あります。百聞は一見にしかずです。認知症に関心のある方にはご見学をお勧めします。



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